そのゴルフ場はオアフ島東部にあるハワイカイ。新婚旅行以来、２５年ぶりのハワイ旅行に浮足立ち、そのゴルフ場まで生まれて初めて乗るリムジン（最長型のロングストレッチ）で行った。ネクタイを締め、帽子をかぶった運転手が予約時間通りにホテル前に駐車し、私の名前入りのプラカードを持ってお出迎え。長身で屈強な運転手は自分でキャディーバッグを持ってロビーからヒョコヒョコ出てきた我々を見て一瞬「えっ！」という驚きの表情。このホテルのレベルなら、キャディーバッグを運ぶボーイを従えて颯爽と登場すると予想していたらしい。運転手がキャディーバッグをリムジンに積んだあと、我々がドアに近づくと運転手が飛んできて開けてくれた。このとき悟った、我々をセレブとして丁重に扱ってくれているということを！要するに客は何もしなくていいのだ。リムジンの内部は運転席と居住部がアクリル板で仕切られ、運転手とインターホンで会話する。大柄なアメリカ人でも８人は楽に乗れる広さだ。そこに我々二人だけ。広さを持て余した。シート横にミニバーが設置され、中を覗いてみるとソフトドリンク、ミネラルウォーター、酒類、グラス、氷まで用意されていた。運転手は「ご自由にどうぞ。」と言ってくれたがプレーに影響するのでコーラだけ飲んだ。帰りのリムジンの中で冷えたビールを飲んだ。この美味さはこの世の味とは思えないほどだった。帰りも同じ運転手だったがホテル到着までセレブ気分を味わった。たった一日でもこんな経験はもう二度とできないかもしれない。ちなみにリムジンの料金はチップ込みでプレー費２人分とほぼ同じだった。
