30日、 琉球海運 東京丸で沖縄へ(1)    

 大阪万博の年に、東京から2泊3日の船旅(2等船室)で沖縄へ向かった。船名は琉球海運の東京丸。2日目、運悪く台風8号に遭遇し、愛知県の伊勢湾に投錨して避難。丸1日湾内に足止め。3日目、船体より高く波打つ海原にもかかわらず一路沖縄へ出帆。心底恐怖を感じる。上下左右に激しく揺れる客室内はほぼ全員が船酔い。私はなぜか船酔いにならず元気。4日目、ベタ凪の九州沖を通過。昨日の荒れ狂う海が噓のような絶好の航海日和。「待てば海路の日和あり」の言葉を実感。この夜、明日は故郷へ着く喜びにあふれた沖縄の人たちの顔が和やかになり、誰が言うともなくカチャーシーが始まる。この時、ジュークボックス(今でもある?)からG.ハリスンの名曲「マイ・スウィート・ロード」が流れてきた。12弦ギターから流れる長いイントロが頭からつま先までドカーンッと落雷のようなショックが貫通!時と、場と、雰囲気にしびれたまま硬直。中学一年生の時、ラジオでビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」を初めて聞いて以来の電撃ショックを再び体感。(2)へつづく…